野音でピース!
馬場俊英です。
日比谷野外大音楽堂でのコンサートが近づいて来ました。2004年秋から目標として来たのですが、いよいよやって来た、というよりも、我々がいよいよ辿り着くというイメージです。最近になってファンになってくれた方々も多いですし、「野音でピース!」を一度おさらいする意味で、これまでの歩みをざっくりと振り返ってみたいと思います。日比谷野外大音楽堂と大阪城音楽堂に繋げていく都合上、ライブのデータなどは東京と大阪に絞って書いて行きますが、他地域のみなさん、どうぞご了承よろしくお願いします。
■まず、この想いをスタートさせた時に、「野音でピース!ドットコム」というサイトを立ち上げたのですが、そこに「意気込みコメント」という文章を寄せました。以下のようなものです。
●第一回 意気込むにあたって
ポール・サイモンの曲に「Something So Right(何にかがうまく)」という歌があります。
「何かがうまく行かないときは、ああそうだろうなって、すぐに納得できるけど、
何かがうまくいくと、それがなかなか信じられない。物事がうまく行くことに慣れてないんだ」
というような内容で、僕の好きな曲のひとつです。
「何かがうまく行かなくて当たり前」と自分に言い聞かせて、
他人や物事や自分自身に期待しないでいれば、そんなにがっかりすることもない。
万が一何かがうまくいったら、それはそれでいい。
まぁ、ちょっと淋しい話ですけど、そんな考え方を胸にそっとしのばせて用意したくなる気持ちは良く分かる気がします。
僕にも思い当たるフシがあります。
デビューして以来、その時々で変化する環境の中でそれでも変わらずに音楽を続けて歩いているうちに、
知らずに覚えてしまったコツというか、見に付けてしまったクセのようなものがあって、
それは、自分のできること以上のことは考えないようにすることだったり、
誰かがどうしても、何かがどうなっても、よろこんだりがっかりしないようにすることだったり、
コンサートにお客さんが何人来たかとか、CDが何枚売れたとか曲の評判がどうだとか、
そういうことに関心や感情をあまり持たないようにすることなどで、
何かがうまく行っても行かなくても自分にあまり関係が無い、思うようなことでした。
そんなふうにして外からいろいろな感情が自分の中に侵入してくるのを防いでいないと
音楽に向き合うための心を守れなくなるような気がしたからです。
心が傷付かないように、がっかりすないように、先回りして先手を打っていたようなところがあったりして、
知らないうちに、いろいろなことに臆病になっていたのかなあと思います。
でも、「Something So Right」の主人公が、「うまく行くはずがないんだ」と自分に言い聞かせるのは、
たぶん本当は「うまく行って欲しい」という願いが強いからで、
「きっとうまく行くはずなんだ」と心のどこかで自分を信じていることの裏返しなのと同じように、
僕もはんとうは、いつだって夢がいっぱいあったし、いつも自分を信じたかったし、
誰かを信じたかったし、何かを信じたかった。
そしてやっぱり、いつだってほんとうは明日に期待していた。
自分の作った音楽を愛してくれる人がいて、それをどこかに届けようとしてくれる人がいて、
それを受け止める人がいて、それを大事にしてくれる人がいて、
何かを投げ返してくれる人がいて、そこから僕もまたたくさんのものを受け取る。
人の力は大きく、出会いはやっぱり嬉しくて素晴らしい。
だから、僕もほんとうは音楽でもっともっとたくさんの人と繋がりたい。
この頃は自分の中にあるそんな気持ちに素直になれるようになりました。
ところで、最近の僕に趣味はマラソンで、よく夜中に街を走るのですが、
別に行き先があって走るわけではなくって、ただ走りたいので、ただ走るために走ってます。
でも、それだけだと味気ないのでタイムや距離の目標を作ってます。
目標があると楽しいし、やっぱり頑張れます。
すると、本当はただ走りたいから走っているだけのはずなのですが、
段々目標に近づいたり、クリアーすることが気持ち良くなって来て、
そこにある厳しさや苦痛にさえ、快感や喜びを感じるようになりました。
そんな目標なんて適当に考えてつくった数値だから、基本的どうでもいいし、
クリアーしたからってただそれだけのことで賞状も景品もないし、もちろん参加賞も残念賞もない。
でも、なんでだかわからないけど、走っているうちにどんどん夢中になって、
必死で目標を追い掛けては知ってしまう。
音楽とマラソンではもちろん全然違うんだけれど、
目標っていうか、合い言葉って言うか、こう口にしたり思い浮かべるだけでワクワクするようなそんな何か、、、
例えば、別に適当に決めた数値だってなんだっていいんだけど、何かそんなものを目指して、
情熱を注ぎ込んでひとつの季節を生きてみたい、この頃はそんな想いを持つようになりました。
そんなある晩にスタッフから出て来たひとつのの言葉が僕の胸に響きました。
「野音でピース!馬場くん野音でピース!しましょう。まずは野音を目標にして、
ボーイズ・オン・ザ・ランで集まってくれた皆さんと盛大にピースしましょう」
野音でピース!
なんかこう景気が良くて、ほどほどの勢いがあって、
シンプルで、いい感じで力が抜けていて、語呂もいい。
そしてなにより、そこから思い浮かぶ光景は僕にとってとっても感動的。
「野音でピース!」。そう心の内からでもう一度つぶやくと、
なんだか勇気が出てくるような、微かに力がみなぎってくるような気がしました。
「野音でピース!いいじゃないですか!やりましょう!」
1分後にはそう答えてました。
そんなわけで、日比谷野外音楽堂と大阪城野音でのライブを目指すことなってしまいました。
こういうことを公言することになり、今とっても恥ずかしいです。
大体、できなかったら格好悪いし・・・・・。
一度言ったら言い続けないといけないから大変そうだし・・・・。
それに、道のりはまだまだかなり遠いかなと思いますし。
でもいろいろ考えたけど、結局はこうしてウェブサイトが出来上がる始末です。
夢を見るってほんとうに照れくさいし、夢を口にするのってほんとうに恥ずかしいですね。
だけど、僕にはやっぱり夢があります。
そしてそれをいつか必ず実現したいと思います。
合い言葉は「野音でピース!」。
今日からこの言葉が、僕の心に紐で結んだ言葉のお守りです。
迷った時や、よくわからなくなったときは、このお守りをぎゅっと握りしめようと思います。
このお守りをあなたの心にも結んでくれたら僕はとっても嬉しいです。
この道を行けばどうなるものか
危ぶむなかれ
危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足が道となり
その一足が道となる
迷わず行けよ
行けば分かるさ
1、2、3、ダァーーー!!
<一休禅師『道』より>
頑張っていこうと思います。
応援どうぞよろしくお願い致します!!
ピース!
10/25/04 馬場俊英
これを読むのは久しぶりではなくて定期的に何度も読み返していたのですが、今改めて読み直しても、我ながら率直に書いているなあと感じます。やや恥ずかしいですが。
これが2004年10月25日。今から3年7か月前でした。