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第四回「中学校の
スクール・ソーシャルワーカー編」
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第四回「中学校のスクール・ソーシャルワーカー編」

鮫島:もともとスクール・ソーシャルワークというのは、人種的な問題で貧しかったり労働力にされたり、そんな理由で学校に行けない子供たちをサポートしよう、というような、人権擁護的な観点からスタートしています。生きにくい状況が生きやすい状況になるように、困っていることが解消し、生活が改善され安定するように。そもそもは、そんなスタンスのお仕事なんです。

馬場:確かにアメリカの映画やドラマを見ているとホームドクターみたいな人が出てきたりしますし、心身に対するケアへの関心が高い感じがしますね。でも日本は、悩んだり迷ったりすることに対して非常にネガティブなのかもしれない。心を痛めていることを良しとしないような風潮さえありますよね。

鮫島:アメリカではいまやソーシャルワークがひとつのサービスとして認識されているので、利用する側としては相談することが当たり前、というところもあるのかもしれません。

馬場:今、鮫島先生のような常勤のスクール・ソーシャルワーカーさんというのは、全国でどれぐらいいらっしゃるんでしょうか。

鮫島:実は、今頑張っているスクール・ソーシャルワーカーは、そのほとんどが非常勤です。私はたまたま縁があってこうして常勤で働かせていただいていますが、全体としてはまだほとんどいないと思います。

馬場:いろいろな物事や進路や、人生を決めてゆく、その過程のとても不安なところで話を聞いてもらえるというのは、生徒さんたちにとって大きな力になるでしょうから、もっと浸透して欲しいですね。

鮫島:でも、今の子が特に変わっているわけじゃないんです。「最近の子は…」ってよく言いますけど、話してみると根はぜんぜん昔と変わっていなくて、とても純粋で、未熟だけれど大きな可能性があって、どんな子も魅力的だなって思います。生徒と接していると、「子供たちは…」という見方は大人が作ったものでしかないんだと思わされます。

馬場:僕らも"新人類"なんて言われましたからね(笑)。

鮫島:そうそう(笑)。だから、今も昔も同じなんです。

馬場:そもそも、僕らが子供の頃には鮫島先生のような立場の方がいらっしゃらなかったわけですけれど、当時、昭和40〜50年代というのは、みんなが一丸になっていたというか、これから明るい未来が来るんだという、そういう漠然とした期待に溢れていましたよね。いろんな格差みたいなものはあったんでしょうけど、みんな同じものを見つめていたというか。

鮫島:子供たちにとって、未来は明るいものだったのかもしれませんね。

馬場:今は我々の世代さえも悩み多き世代ですから。

鮫島先生は、校長先生と共に、新1年生として入学してくる中学生全員と面談をするそうです。もしかしたら、教職員の方々の中で最も多くの子供たちと接している先生かもしれません。担任の先生がお休みのクラスのホームルームに顔を出したり、校内をあちこち歩いたりしながら、ほんの小さな悩みの芽にも、目を向けていらっしゃいます。