「平凡とういう非凡」

馬場俊英

1967年3月20日生まれ

1996年メジャーデビュー

2001年より自主レーベルでの活動に移行、ライブ活動を中心とした地道な活動が実を結び大阪を中心にブレイク。

2005年メジャー再始動

2007年紅白歌合戦に出場「スタートライン〜新しい風」を歌う。
デビュー15周年を迎えた2011年、音楽プロデューサー須藤晃と出会い、共に制作活動をスタート。

ライナーノーツ

● 犬はライオンになりたくない

昨年の暮れくらいにこの曲の元になるアイデアが生まれて、それは簡単なリズムとギターとオルガンで作った進行に合わせて僕が適当に歌っているメロディのアイデアでした。仮に「からっ風のブルース」と名付けていました。なんとなく社会の厳しさの中で生きていくことのイメージや、冷たい向かい風の中を歩いて行く一人の主人公の姿が見えたんですね。それで、さあどんな歌にしていこうと須藤さんと話している中で「生活の歌」というタイトルの曲にしようということになり、しばらく僕があずかって歌詞を書いていました。ところがなかなか思うように書くことができずにいた頃、2012年の2月頃でしょうか、須藤さんからメールがあり、人が本来持っている欲望のことや社会で生きていくということ、不安はいったいどこからやってくるのかというようなことが書かれていて、その中に「人間は何者かになることを求められるけれど、犬は別にライオンになりたくんだ」というフレーズがありました。そこから一気にほぼすべての歌詞が出来て「犬はライオンになりたくない」という曲になりました。僕はBob Dylanのアルバム「HARD RAIN」が大好きなんですが、その中に「Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again」という曲があって、その歌がたまらなく好きなんです。歌詞の内容はよく知りませんがでもなにか強く響いてくるものがあって聴くたびに胸が騒ぐんです。この曲はその曲をちょっと意識してます。レコーディングはバンドのメンバーで集まってやりました。そこで録ったベーシックなものを僕が持ち帰って、少しだけエレキギターやシンセ的なキーボードをダビングしました。何度かライブでもやっていますが本能的に盛り上がる曲です。こういう曲を歌っている時の自分は、もともと自分が好きだった自分の姿なんだという気がしています。

● HALF

この曲は、須藤さんから投げられたボールを受け止めて投げ返すような流れで出来た曲です。HALF。まだ半分じゃないか、折り返し地点を曲がったら、またここからがんばろうという気分で歌っています。誰だっていいことも悪いこともある。ここまで悪いことが多かったとしてもここで仕切りなおして後半がんばろう。いいことがいっぱいあったなら後半はもっといいことがある。僕が40代だからこう思うのかも知れませんが、0歳〜20歳は育つ時間というか守られていた時代。20歳から40歳までを大人前半と考えたら、40歳から60歳までが大人後半。40歳あたりでもう一度エンジンに点火だなと思うんです。いろいろな経験をして体験をして己を知る。現実を見つめて受け入れて、そこから見る夢は若いころのそれに比べたら平凡かもしれないけれど、僕に言わせればとてつもなく美しい。さあ、まだ半分だ。半分もあるんだよ。そんな歌です。歌詞が先に出来上がって、そこにあとからメロディをつけたんですが、最初は須藤さんからダメ出しがあって笑、二度目に作ったのが現在の形です。シンプルな曲なので演奏するときにプレイヤーがその時々でニュアンスを遊べるのでライブでは楽しいです。レコーディングもライブみたいでした。Bob Dylanで言うとですね、「HIGHWAY 61 REVISITED」というアルバムがあるんですが、その中の「Tombstone Blues」という曲をちょっとイメージしていました。ちょっと感じは違うんですが雰囲気的に。フォーク・ロックみたいな感じ。

● ギザ10

学校ではいきいきと過ごしていたのに社会に出たらその輝きがすっかり失われてしまうことがあって、そういうことを大人になるとか丸くなるとか言う。逆に、学校では大人しく目立たず行事などでもほとんど活躍しなかったけれど、社会に出たらいきいきとし力を発揮する人もたくさんいる。過ごしている環境が変われば世界は変わり自分も変わる。山あり谷あり崖あり。山が得意な人、谷が得意な人、崖が得意な人、上りで発揮する人、下りで発揮する人。小さなドアを開いたら思いもしなかった世界が君を待っていて、そこで君は本来持っている魅力を存分に発揮するかも知れない。決めつけるのはまだ早い。諦めるのはまだまだ早い。というようなことを思うんですが、実はこの曲を書いたときのことをあんまり覚えていないんですよ。あんまりというか正直に言うと全然覚えていない。何かが降りて来て、たくさんの曲を同時に作っていた中で生まれたんですよね。あとになって「あれ?これなんだろう?」みたいな。レコーディングはバンドメンバーが集まってライブのように。自宅でハーモニーをだいぶ重ねましたがかなり孤独な作業でした笑。「HALF」のコーラスも同様。夏の匂いのする曲です。

● ころんで立ち上がるときの顔が好きだ

この曲はすべてのレコーディング作業をひとりでやりました。リズムをプログラムしたりギターやキーボードを弾いたりすることはよくあるのですが、ベースを弾いたのは初めてでした。須藤さんからベースも弾けばと言われて、「いやベース持ってないですから」って言ったら「貸すよ」って言われて笑。でもやったら楽しかったです。曲を書き歌詞を書き、アレンジをして楽器を演奏して。時間があったらまたやりたいですね。全曲自分でやって、Paul McCartneyの「RAM」みたいなアルバムに挑戦してみたい。ところで、生きていく中で、失敗することや間違ってしまうことはたくさんありますから、そのあとどうするかですよね。もう嫌だと思うか、もう一度やってみようと思うか、次はああしようこうしようと思うか。転んだら痛いしカッコ悪い。それはそういうことでいいと思う。転んだら痛いものだから。でもそこから立ち上がるときの顔はものすごくカッコいいんだと、そんなふうに言って抱きしめてあげたい。こういう曲はいつまでも定期的に書き続けていきたい。


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EP2〜犬はライオンになりたくない

馬場俊英「EP2〜犬はライオンになりたくない」

01 犬はライオンになりたくない

02 HALF

03 ギザ10

04 ころんで立ち上がるときの顔が好きだ

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「犬はライオンになりたくない」Live Version

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